- 写真撮影 - 茅ヶ崎の住まい

 こんにちは。月明設計室の中込です。

 住まいの実例に『茅ヶ崎の住まい』をUPしておりますので、宜しければご覧ください。月明設計室で手掛けた最初の新築住宅になります。

 今年の5月にお引渡しをさせていただき、半年程経過しましたが先月、外構が落ち着いてきた頃を狙って、撮影をさせていただきました。日程を調整し天気の良い日を狙っていたのですが、直前にも日を一日ずらしたのにも関わらず、なぜか雨が降りました。予報は晴れでした…。

 それにもめげず、たくさんの写真を撮影させていただきました。その数400枚程度になります。さらにお引渡し前には1000枚程度撮影しておりましたので、合計1400枚! (…撮り過ぎですね)

 当初は、お引渡し前の写真を中心に掲載しようと思っていたのですが、住まい手のYさんの暮らしぶりがとても素敵でしたので、お住まいになられてからの写真を掲載しようと時期を見計らっておりました。その為、掲載した写真はお住まいになられてからの写真が中心です。

 ここではせっかく撮影したお引渡し前の1000枚の写真を無駄にしないように、いくつかご紹介できればと思います。お引渡し前の住まいの様子とお引渡し後の住まいの様子はだいぶ違うので見比べて頂けるとおもしろいかと思います。

 お引渡し前の写真は、家具もなく殺風景に感じるかもしれませんが、住まいを建築として捉え空間というものが感じやすくなっています。意図して考えていた静けさのある場所をつくるということだったり、室内に差し込む自然光が人にどのように感じられるかということだったり、作り手側の意図が伝わりやすくなります。

 お引渡し後の写真からは、そこに人が住み、暮らしがはじまるとどのような豊かさが感じられる場所になるのかという視点で見る事ができるのかと思います。特に住まい手さんの力による所が大きいですね。今回はできるだけありのままを撮ることを心がけました。

 ありのままを撮るという行為は、なかなか様にならないものなのですが、Yさんの住まいは家具や小物に古道具を多く使われていることや植物をたくさん置かれているので、質感が良く表情豊かなものが多かった為、空間との馴染みが良く違和感がありませんでした。

 まだ暮らしが始まって、半年程度ですが、もうすでに住まいから人柄を感じる事ができるのです。これはすごい事だと思うのです。その人らしさが、住まいから感じられるのです。素晴らしいことだと思います。

 何年も何十年も住んだ住まいからは、その人なりの住まいの表情を感じる事ができます。それには時間が必要です。時間の蓄積が住まいにその人なりの表情をもたらすのです。

 建築写真として撮られる写真には、この人柄を感じる事はほとんどありません。できたばかりの住まいにはそういったものを期待できないので、あまり物を置かないで撮影したり、流行りのものが置かれた予定調和の世界が多いように思います。

 人柄を感じる住まいは、つくり手側の予想を超えた住まいの様子だと思います。住宅のおもしろい部分でもあります。

 設計者が意図した住まいに、住まい手の暮らしぶりが表れ、そこに外からやってくる自然が彩りを与えています。思い描いた世界に予想をできない未知なるものが介入し、相乗効果のように高めあい共鳴するようです。

 住まい手のYさんとの良き出会いに心から感謝するとともに、設計者としてまたひとつ大きな学びを得る事ができました。このような素敵な住まいに携わることができ、感謝しかありません。