- 風景になる -

 こんにちは。月明設計室の中込です。

 前回のブログでご紹介させていただいた茅ヶ崎の住まい。

 お引渡しから3週間程度経ったあたりで、お渡しする書類もあったので、ご様子を伺いに訪れました。

 私の住んでいる藤沢からバス1本で行けるんです。独立をしてから車のない生活を続けているので、現場まで電車やバスを使って、歩いて行きます。その地域の環境やまちの雰囲気を知るにも有効なので、散策をするようにキョロキョロしながら移動しています。運動不足なので、その点でも有効です!工事中はバスで現場に向かえるのが、楽しくて新鮮でしたね。バスを降りて少し歩くのですが、現地に近づくにつれ、通過交通のない農道に切り替わると急にのどかな世界が広がります。

 小高い場所から、遠くふもとのまちを見る。

 森林効果抜群の小道を抜けていく。

 そして遠くからちょこっと顔を出す黒い平屋の住まい。この場所によく馴染みます。最初見た時は、こんなに遠くから見えるんだぁと嬉しくなりました。なかなか遠くから住まいを見るってことないですよね。

 農作業の様子もじっくり写真におさめたいほど、生命感溢れる新緑が綺麗な季節です。

 空気も綺麗で、いつもいい場所だな~と思いながら通っていました。

 私の通っていたルートだと一旦、下がって上がるのですが、住まいとの出会い方がいいんです。

 茂った木々の隙間からわずかに見える屋根。角度によって煙突がちらっと見えます。

 土留めに使われている切り株。かっこいいですね。ワイルドだぜぃ。特別、意匠を考えてこうしたという感じというよりかは、そこにあたり前のようにある材料を利用して自然にできた感じ。

 かつてはあたり前のことが、今はあたり前でないということはよくありますよね。この場所ののどかな環境も、一旦そこに身を置くとあたり前になるんですが、他ではなかなか味わえないような恵まれた環境だと思います。

 特に人と環境(地球)との関係がいいんだと思います。

 こういう環境が日本中、世界中を占めていたら、環境問題なんかもないですね。産業や消費や便利さを求めるあまり、地球とのいい関係を忘れてしまいがちな人間社会、、、と、環境問題にまた視点が行ってしまいます。

 建主のYさんから、「子供が家にいて、外に猫を見つけると、かつお節を持ってだだだーって外に走って行っちゃうんです。」というお話を聞いて、いいなぁっと思っちゃいますね。人と環境が親密だからできるんですよね、自然とそういうことが。そのぐらいここは恵まれた環境なのです。茅ヶ崎にもこういう場所があるんです。

 外構はまだまだこれからですが、外観をパチリ。

 なんだか背後の竹林に守られて鎮座するありがたい建物にも見えなくない、そんな様子があります。焼杉の平屋っていいですね。

 住まいの様子はと言えば、すっかり落ち着いたYさんらしい暮らしがはじまっていました。Yさんから「既に長年住み慣れた、我が家の様に感じています。」とまだ3週間足らずですが、そのようなお言葉をいただきまして、嬉しい限りです。計画段階で、お持ちの家具類の配置を入念に検討していたので、それもうまくいっていました。油断している所をパチリ。

 Yさんは、古い家具や古道具がお好きなので、そういうものがこの住まいに馴染み、落ち着きをより与えているのかと思いました。

 あまりに居心地が良くて、予定よりだいぶ長く居座らせていただきました。予定になかったはずなのに、とてもおいしい昼食をごちそうになってしまいました。ありがとうございます。野菜がおいしくて農家さんが近くにいるっていいですね。シンプルで人間らしい暮らしがそこにありました。…満喫してしまい、肝心のお渡しする書類のことをすっかり忘れてしまい、また後日。…何しに行ったのか。

 外構が落ち着いて、暮らしも落ち着いたら、また本腰入れて撮影をさせていただく予定です。楽しみで仕方がないです。

 帰りに、別の場所から外観の様子が見れる場所を教えてもらい、早速。

 その場所の環境に、違和感なく馴染んでいる住まいの様子を見る事ができました。いろんな角度からいい顔を見せてくれています。ここに新しい日本の風景ができました!自己満足。